Q. 版画の下に記されている数字や文字(AP、XCIなど)。これってどういう意味ですか?

A. 限定枚数で制作された版画・ジクレーの整理番号です。

版画には制作された部数に応じ、アラビア数字(1、2、3……・)や、ローマ数字(I、II、III……)などの番号(エディション番号)が記入されます。
またそれ以外にも、番号のかわりにAP・EA・HC・PP等の文字記号を記したものが、一般的にはプラス10%位制作されています。

これら全ての番号及び文字記号は単なる整理番号であり、どの番号や記号が記されていても作品の価値に全く差異はありません。(※よくある誤解に、エディション番号の「1」が一番最初に摺られたものと考えている方がいらっしゃいますが、これは間違いです。制作の過程からも、物理的にも、そのようなことは一切ありません。)

文字記号のそれぞれの意味は下記の通りです。
●AP版=(artist proof・英)本来、作家用として制作されたものを表しています。
●EA版=(épreuve d’artiste・仏)直訳すると「作家の校正刷り」という意味になりますが、扱いは、AP版と同じです。
●HC版=(hors commerce・仏)本来、販売時作品見本用の「非売品」を意味します。
●PP版=(printer’s proof・英)本来、制作に携わった版画工房の保存用を意味します。

ちなみに、作品「イゾラ・デラ・パーチェ」について申し上げますと……

版画作品「イゾラ・デラ・パーチェ」 2021年制作・ジクレー
Arabic:195  Roman:0  Artist Proof:3  Printer’s Proof:2
総エディション数:200 となっています。

つまり、版画作品「イゾラ・デラ・パーチェ」をお持ちの方は、200枚制作された中の1枚をお持ちになっているということになります。

【 ローマ数字の読み方】
ローマ数字は、 I=1 V=5 X=10 L=50 C=100 の基準となる数字が組み合わされて出来ています。
例えば、III  IV  VIII  XLVII IC  CLXXIX をそれぞれ西洋数字に直して読むと、
III=3  IV=4  VIII=8  XLVII=47  IC=99  CLXXIX=179 となります。ご参考まで。

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