クリスマス・ツリーの飾り

京都市とフィレンツェ市の”姉妹都市締結50周年”を記念した巡回個展は、9月の札幌を皮切りに、東京・大阪と廻り、つい先日福岡にて無事に閉幕をさせて頂きました。
各地で多くの皆さまにご鑑賞頂き、色々な形で応援のお声も頂戴し、本当に嬉しく思っております。
またこの度、様々にご支援を賜りました大勢の皆様や両市の関係者の方々へ、心からの感謝を表したいと思います。

―――皆様、本当にありがとうございました。

思い返せば・・・一連の記念展覧会は、底冷えする2月の京都・高台寺さんで幕を開け、その後、6月初旬の時ならぬ猛暑に汗して準備をしたイタリア・フィレンツェでの開催を経て、気づけば、秋も深まり紅葉の便りを聞く季節になっておりました・・・なんと慌ただしく過ごしてきた2015年・・・街を歩けば、既にクリスマス・イルミネーションに彩られているとは・・・!

アドベントの窓辺
27.3×45.5㎝ 2015年制作 油彩

さて、先日発表されました「アドベントの窓辺」(ちなみに、今年の”アドベント=待降節”は、11月29日からだそう)。
作品へのコメントは、新作紹介の頁に譲らせて頂きますが、そこで出来なかったこぼれ話を少々。

画面右奥に描かれているのは、果物の”リンゴ”ですが、描いたのには理由がございます。
クリスマス・ツリーの起源は、中世ドイツと言われていますが・・・
当時クリスマスを祝う降誕祭の中で行われた劇中、アダムとイヴがリンゴを食べる件(クダリ)で、キリスト教で云う所の”知恵の樹”として登場していたことに由来するのだそうです(リンゴの木の葉は、冬には落ちてしまう為、常緑樹の樅の木が使用されたという)。

そして以降、ツリー自体がクリスマス行事に定着してゆく中で、”リンゴ”もオーナメントの一つとして残ったようです。
当初は本物の果実を使っていたのでしょうが、長期間に渡り飾るのは難しかったのか、いつしか丸い形の飾りが形骸的に用いられるようになりました。
画面左手前にあるような、現在よく見られるガラスやプラスチックで作られた球体の飾りは、リンゴの名残なのだそうです。
煌びやかな飾りでウキウキと心浮き立たせるクリスマス・ツリーも、宗教的な意味が、その飾り付けひとつびとつにきちんとあるようです。

「アドベントの窓辺」は、クリスマスのワンシーンの中で、人の心に宿る温もりを、”幸せや希望をもたらす光”の象徴であるキャンドルの灯りに託して描いた作品です。
皆様の心にも、そんな光が届きますように―――。

笹倉鉄平

2015

前の記事

“主役は光”の情景画展
2016

次の記事

質問にお答えします Part.8