新しい全版画集

この度、新しい全版画集が、美術書中心の出版社である求龍堂より出版される運びとなりました。
今月末頃より、書店店頭(画集コーナー等の在る大型書店中心)に並ぶ予定とのことです。

前回の「全版画集」には、1991年のデビュー作「カダケス」から2002年8月の「語らい」までが掲載されていました。
今回『笹倉鉄平全版画集2002-2013』も同じく約11年間分、2002年の「サン・ルーに降る雪」から始まり、先日発表された「リフレッシング・レイニー・カラー」までの掲載です。

他の画集と違い”版画の図録”ですので、版画そのものを1点1点複写した画像を使って印刷されています。
各作品に技法、工房、制作年、刷り部数等のデータも付された、いわば版画の戸籍?のようでもあります。

また、既に完売しております前の版画集巻末にございました、モノクロ6頁分の”版画制作工程解説”の代わり(?)に、同掲載済の1991~2002年迄の全作が、縮小版ではございますが、全てカラーにて資料掲載されました。つまり、デビュー作~直近までの全版画作品が余さず網羅された一冊となっているのです。

これまでの版画作品を発表順に見られますので、描いた頃の自分自身(=それぞれに込めようした想い)を思い出しますし、それを表現する為に求め続けたスタイルの変化も感じられ、我ながら少々感慨深いものがありました。

この度の出版に際しご尽力を頂きました求龍堂様、度重なる校正にも快くご協力を頂きましたニューカラー写真印刷様へ、この場をお借り致しまして、心より御礼を申し上げます。

版画の現物と見本刷り原稿を並べ、チェックをしています。
印刷所の方々にご協力頂きながら、こうして校正を何度も繰り返して、 印刷上の限界はありながらも、実物の色へ近づけられたと思っています。
(ちなみに、こちらは再々々校正中の様子)

笹倉鉄平

2013

前の記事

正に”アトリエから”です
2013

次の記事

朝日と夕日の違いって?