慌しかった一年も早・・・

慌しかった今年も押し迫る中、大阪・心斎橋大丸百貨店での「全版画展」も無事に幕を下ろし、やっと人心地ついているところです。
会期中は、私たちの予想を遥かに上回る多くの方々にお越し頂いてご高覧を賜り、本当にありがとうございました。

また、サイン会では長い長い行列に辛抱強くお待ち頂きましたこと、頭が下がる思いでした。列の様子が目に入る度に、少しでも速くと思ったり、順番が来たらせめて一言だけでもお一人ずつお声をおかけする時間もとらなくてはと思ったり、矛盾してしまう二つの思いに板挟み状態になりつつ目を白黒させながら、サインをしておりました。

と言いますのも、ちょうどその前々日にヨーロッパから帰国したばかりだった為、まだ時差ボケから抜けきれておらず、頭の回転がついていっていなかったのです…つまり、突然に多くの人と接する状況に置かれ、少々”夢うつつ”な感じでした。

特に日曜日のサイン会は行列が長く、もともと1時間予定のところが2時間半以上もかかってしまい、終盤には、もしかすると妙な表情+会話もちぐはぐ…といった少々変な人状態になっていたかもしれません(笑)。
過ぎてしまったこととはいえ、この場を借りてお詫びさせて頂くと共に言い訳(?)もさせて頂きました。

11月にイタリアで行事(絵に関連したものではないですが)に参加してから、その後しばらく北欧に滞在していました。
日本でも多少ニュースになっていたようですが、その頃ちょうどヨーロッパを襲っていた大寒波の影響で、唯でさえ寒い北欧はとても寒く…当然、最高気温もずっと氷点下という日々でした。
耳あて、マフラーくらいは持って行っていたのですが、その程度では全く用が足りず、現地で写真にあるような毛皮裏打ちの帽子を慌てて調達して片時も手放せず使用していました…
いつもの帽子との趣きの差を見てやって下さい(笑)。

さて、今年は画業20周年という節目の一年でしたので、私としては(特に後半が)とても慌しい、盛りだくさんな年だったように感じております。

思えば、元旦の朝日新聞の「天声人語」に私の名前と作品名が書かれてた、という何となく幸先いいような予感する年の初めでした。
そして、新しい画集の出版あり、リリースされた全ての版画を展示出来る展覧会を開催する機会にも恵まれたりと、記憶に残る記念の一年となったように思います。

勿論、そんな一年を支えて応援して下さった皆さまに、心から感謝致しております。
年が明けましたら、また新しいスタートに立つ新鮮な気持ちで、21年目からの小さな挑戦を重ねてゆきたいと思っております。

クリスマスも近づいてきて、街はだんだんと年の瀬を迎える顔に変わってきました。
皆さま、どうか良い年をお迎え下さい…まだ少し早いかな?

笹倉鉄平

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