カンボジアでの休日

今年はお正月休みを少し後ろへずらし、先週一週間カンボジアへ行っておりました。
未だ内戦の爪跡残るカンボジアは、現在、外務省の海外危険情報で一部地域を除き「充分注意」レベルとされており、治安状況に多少不安はありましたが、世界遺産であるアンコール・ワット周辺やその観光のベースとなる街シェムリアップは、世界中からの観光客で大変にぎわっていました。

私自身、ずっと以前から一度アンコール・ワットを始めとするクメール文明の遺産を訪ねてみたいと思ってはいたのですが、何しろ政情不安が長く続いていた為、ついつい行きそびれて今に至っておりました。

今回、カンボジアを訪問したきっかけはと申しますと・・・内戦で親を失くした子供たちや学校へ行く余裕がない子供たちへの支援活動を、平素よりお世話になっております知人の方々が中心となって長い間しておられ、私も2006年から微力ながら参加をさせて頂いております。

「支援の物資を日本から送っても、無事に相手に届かないことが多いので、直接手荷物として持って行っているのですが一緒に行きませんか?」というお誘いを受け、この度同行させて頂きました。
日本から9人、それぞれが中古のラップトップ・パソコンを一台づつ携え、他にも学用品・医療品などを手持ちされ、皆の手で確実にそれらを渡すことが出来ました。

学校や孤児院へ行って子供たちに直接会える折角の機会ですので、画家としては何を持って行くのが適当だろうかと考えたのですが、子供の頃に綺麗な色が並んだクレパスの箱を手にした時の喜びを未だに忘れられないこともあって、クレパスを持って行くこととしました。

同行の皆様にもお手伝いをして頂きながらクレパスを200箱運び、子供たちひとりひとりに手渡していったのですが、その時の子供たちの透き通るような瞳の綺麗さと笑顔に心を打たれ、逆に美しい宝物をもらったような気持ちになりました。

こうした日本人援助による学校や他の形での支援活動は様々にあるようですが、訪ねた学校は、アンコール・トムという世界遺産の広い敷地の林中にあり、現在180名ほど(年々増えているとのこと)の子供たちが通って来ている所です。

現在のカンボジアは政情も安定してきているとはいえ、内戦の時代に、家族、衣食住、教育、果ては文化、伝統までも奪われ、その傷跡が深く人々の間に残ってしまいました。
それでも、たくさんの子供たちが(人口の約半分が16歳未満)、貧困と愛情や精神的な支えが欠如している中にあっても、頑張ってたくましく生きているのです。

そんな様子が、下の写真から少しでも伝わればよいのですが・・・

▲今回の主催者、京都青果合同㈱の内田会長を出迎える子供たち
▲長く本活動をされておられる山野エミール氏をはじめ、参加者全員で子供たちにプレゼントを渡す
▲この活動の発起人ベルトー氏、現地の先生と一緒に子供たちが描いた絵を見る
▲唯一ここだけが四方にちゃんと壁の在る教室
▲奥に見えているのはバレーボールコート(一見、校庭のようには見えませんが) 
▲シェムリアップの街に在る「スナーダイクマエ孤児院」
<http://www.snadai.com/> の子供たちと

この記事をお読み頂き、活動にご賛同下さる方もいらっしゃるかと思いますので、今後何か良い方策がないものかと思案中です。

しかし、画家・笹倉鉄平を色々な形で応援して下さっている多くの方々が、実は私を通じてこの活動の一端に既に参加して下さっているのだと思うのです。
それをご報告したかったのが今回の主旨でした。

笹倉鉄平

2007

前の記事

日本の情景、海外の情景
2008

次の記事

「MUST 変換⇒ TRY」