「ちいさな絵画館」へ行って来ました

先日、制作の方がやっと一段落を迎え、「ちいさな絵画館」を訪ねてきました。

美術館、ギャラリー、百貨店の展覧会など、絵を楽しむ形は様々あり、それぞれに違った良さがあると思うのですが、”絵画館”は以前より、作品を展示する壁面も増え、原画に囲まれた3つの小さな部屋のある、より落ち着けるスペースになった様に思え、また一つ新しい形の鑑賞の場が出来たことに”ちいさな”喜びを感じてしまいました。
・・・のっけから手前味噌な話で恐縮です(笑)。
先月22日の開館以降、早速多くの方々にお越し頂きました様で、嬉しく思っております。
特に先のゴールデン・ウィーク中、かなり遠方からおいで下さった方も中にはいらっしゃったと聞き及び、感謝致しております。
(また、お祝いの花等のお心遣いを頂きましたことも、この場を借りて御礼申します。)

現在は、次回の企画展である「ヨーロッパ淡彩スケッチ展」に展示する作品の選択をしている所ですが、緑色の作品ばかりで統一されている今の館内が、自分自身気に入っておりましたので、あと一月足らずで終了してしまう(※6月11日迄)のが、少々寂しくも思えます。

さて、この文章、移動中に書いておりまして・・・思えば昨年来、北京での展覧会準備で夏休みなどすっかり忘れておりましたし、年末はギリギリまで絵画館の準備、年始は2日から制作を開始し、何やかやと、まともな休みを取れぬままにずっときていたのですが、ほぼ一年ぶりに、4日間ではありましたが連休がとれ、頭も体もようやく一緒に休ませることが出来ました。

若い頃には”目の前に人参をぶらさげる”感覚で、休みを取る為に頑張ったものでしたが、最近では、より良い仕事をする為に、休みだって最小限は取らなければと考える様になりました。
きっと、絵の制作そのものが、歳を重ねるごとに自分にとってより大切なものになってきているからなのだと思います。

この休暇の間、青い空を眺めながらぼんやりと考え事をしていると、普段は見えていなかったことに気付いたりして、かえって得ることが多かったように思えるのです。

人は、多忙の中にあって困難な仕事や状況に日々立ち向かっていると、とかく、解決をあせって細かい事柄を考えたり悩んだりして、すっかりそこにはまり込み、大切な部分を見失ったり判断を誤ったり、失敗をしてしまうものです。
“少し距離をとって見ることが出来れば、大局が見える”とも、よく聞きます。
・・・これって、絵の制作にも、とても似通ったところがあるのです。

少なくとも、ここしばらく知らず知らずに無理をさせていた自分に気付けて良かったと思いますし、次へのエネルギーも得られましたので、早速また新しく一歩を踏み出すこととしましょう。

笹倉 鉄平