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入学したての頃は、“さぁ、これで大好きな絵やデザインの勉強が思い切り出来る!!”と、燃えていたのですが、ハタと気付けば、その教室にいる80人ほどの生徒たち全員に、あるレベル以上のデッサン力も色彩構成力もあるのは当然でした。
更に、周りをちょっと見渡しただけでも、皆それぞれに個性豊かでカッコよく見えてしまい、世間知らずの自分をとても小さな存在に感じてしまったのです。
高校生までは特技としての“絵”によって、ある種の存在アピールが可能だったのに対し、既に“絵が上手に描ける”ということが普通であるこの環境で、どうしたら自己を表現出来るのかという、アイデンティティの危機を、その時痛切に感じてしまったからでしょう。
つまり、この美大だけでも他の学科に多くの生徒がいて、その上、日本中に、こうした美術学校・専門学校がたくさんあるのに・・・などと考えるうち、自分はこの先“果たしてこの世界でやっていけるのだろうか?”と、漠然と不安な気持ちに陥ってしまった・・・というわけです。(今にして思えば、多くの生徒が同じように感じて悩んでいたのかもしれません。)
そんな状況で、“悩んで学んで”を繰り返し、今の自分に一番足りないものを探してゆくうちに、それはいわゆる“描く技術”ではなく、物事をとらえる感性やセンスなのであろうことが、はっきりとわかってきました。 |